消費税増税 〜法人税増税は、なぜあまり良くないのか?

 社会党などは、法人税を上げろと言っていますが・・・あまり得策ではありません。

 大きな理由は2点です。
①景気の影響が大きい
利益を出している企業だけが対象になってしまう。


法人税の問題点】
 法人税は、起業の売上ではなく利益に対して、課税します。
 つまり、
1兆円の売り上げで、赤字が10億円の企業・・・Ⅰ

10億円の売り上げで、利益1億円の企業・・・Ⅱ
では、小さい企業であるⅡの方が、納める税金が多くなってしまいます
 これって、公平なんでしょうか?


【①景気の影響が大きい】
 企業の利益は、好景気不景気で、大きく変動します。1年で倍になったり半減したりするのは、ザラです。
 そのため、法人税を中心した場合、税収が大きく変動します。


 リーマンショック後の法人税の減少を考えると判ると思います。
 それに対して、消費の変動幅は、意外と小さく、よほどのことがない限り年5%も行きません。
 そのため、法人税中心よりも、消費税中心の方が、不景気時でも安定した税収を期待できます。 


【②利益を出している企業だけが対象になってしまう】
 これは、【法人税の問題点】で上げました。
 企業規模が大きくても、税金を払わなくて良いと言うのは、どこか問題があります。
 判り易いのは銀行ですね。何兆円も利益を出していても、控除の仕組みを使うことにより、ほとんど税金を納めていません。


【消費税は消費者だけが払う物ではない】
 消費税と言いますと、個人・消費者だけが払うようなイメージですが、企業も払います。
 赤字企業も払います。
 そのため、薄く広く取る税金と言えます。


 以前書きましたが、ヨーロッパなどの法人税が安い理由は、高い消費税の裏返しと考えることもできます。


【景気への異常な配慮】
 消費税を上げますと、消費は下がりますが、それは日本以外の海外も同じです。
 では、なぜ海外は消費税率が日本よりも高く、小まめに上げることができるのでしょうか?


 覚悟です。

 
 結局、日本の政治家は、16年以上、誰も覚悟をしなかったということです。
 不景気の時に、消費税を上げるのは良くないと言います。
 では、リーマンショック前に、消費税を上げたのでしょうか?
 上げませんでした。
 では、いつ上げるのでしょうか?