電子書籍と出版の関係における初歩的な勘違い

 出版社=印刷業者ではありません。印刷機能を持っている出版社、新聞社も多いが必ずしも、出版社=印刷業者ではありません。
 そのため、紙から変わる電子書籍の普及=出版業者が大変と言うわけではありません。
 在庫がなくなるのは大きなメリットですが、大変な点は、流通経路が自由になってしまう点です。早い話が営業力。力のある出版社は、書店や卸と関係を持ち、ある程度、自分たちの売りたい商品を押すことが出来ます。
 書店の一番目立つ場所、良い場所を取れるということです。弱小出版社にとって、一番の弱点であり、大手にとっての一番の強みでした。コアコンピタンスは、営業力でした
 しかし、電子書籍は、この強みが消滅します。
 出版社の機能は、マーケティング・企画・広告・編集能力が中心になり、営業の機能の重要度は低下します。
 対応できるか出来ないかで、業界の勢力図に大きな変化が起きると思います。
【出版社衰退のメリット】
 日本の大手出版社の拠点の多くは、東京です。そのため、情報発信は東京中心。作家さんや漫画家さんも東京在住ですと、何かと有利になります。結果、地方の作家さんや漫画家さんは、ハンデを受けるわけですが...変革を気に地方化が進むかもしれません。IT革命では東京中心が進展してしまいましたが、こんどは別の道に進んで欲しいと思います。