6月8日『日本企業の公的負担「非常な高水準」 経産省調査 』という記事。
経済産業省の「企業の公的負担に関する国際比較調査」公表した数値を元にしているようですが、妙に変で怪しい。
どこが怪しいかと言うと、公的負担率の母数に、税引き前純損益(判り易く言うと利益)が含まれている点だ。
総合的な公的負担率=
企業が負担する税金の総額/
(税引前純損益 + (企業が負担する税金の総額−法人税・住民税・事業税所得割))
企業の利益と負担額の比に、どれだけの意味があるのだろうか?日本の利益率は、そもそも国際的に低い。つまり、それだけで比率は上がる。さらに利益は、景気や企業経営の腕で左右されてしまう数値。
分母が、なぜ利益+公的負担なのか?
最初意味が直ぐには、判らなかったのですが...要するに、税金が無ければ、得られた利益ということだろう。
つまり、
総合的な公的負担率=
企業が負担する税金の総額/税金が無い場合の利益
何度も書いていますが...商売が下手な会社ほど、数値が大きくなる。
また、消費税・社会保障の処理の仕方が怪しい。日本は年金という義務ですが税金以外の形で、お金を取っている。それに対して、税金の形で社会保障費を取っている国がある。また、公的保険が無い場合は、見た目上の税率は減るが賃金増額などの何らかの別の形で負担しないといけない(アメリカのGM)
結局比較しているのは、アメリカだし、フランスやドイツが入っていない。
正直言って、上の指標は名前こそ「公的負担率」になっているが、本当に公的負担率という表現が正しいのか、疑わしい。
公的負担=コストと考えるのであれば、総合的なコストに占める割合として、公的負担率=公的負担/総コストにした方が判りやすい。
非常に恣意的に作られた指数だろう。
なんというか、こういう数値を平気で公表する経済産業省・マスコミが怖い。