原発を再稼働しても貿易赤字からの脱出は出来ない

 輸入・貿易赤字が増えた原因のひとつとして、原発停止による天然ガス(LNG)の輸入の増加であることは間違いないのですが・・・
 原発を再稼働しても貿易赤字からの脱出は出来ないようです。
(注意:原油、石炭も火力発電用に伸びましたが、議論の対象はLNGに限定)


 理由としまして、2010年の天然ガスの輸入量は約7000万トン。
 対して、2012年の天然ガスの輸入量は、約25%増加して、約8700万トン。
 原発停止による発電分の増加は約1700万トンの増加です。


 原発を再稼働しても、輸入量は1700万トン分、20%しか減りません。


【価格の上昇】
 輸入金額が激増した原因は、数量の増加もありますが価格の上昇です。
 2010年9月10ドルだったものが、16.5ドルです。
 ドルベースで見て、1.7倍近くです。
 http://ecodb.net/pcp/imf_usd_pngasjp.html


 要するに、原発が稼働してようとしてなくても、天然ガス価格の上昇により、日本は貿易赤字になっていたようです。


 LNGの価格が高騰したのは、日本が購入するLNGの価格が、ある程度原油に連動しているためらしいです。


 LNGだけではなく、原油も価格が高騰しています。
 2010年は80ドルで2013で105ドルでしょうか。
 2009年最安値の41ドルと比較して2倍以上です。


 LNGに関しては、足元を見られた点もあるでしょうが、日本が購入量を急に増やしため、高騰したともいえます。
 平成の米騒動の時と同じですね。日本の米が不作になって緊急輸入。米の国際価格高騰となりました。


【今後、どうなるの】
 アメリカなどは日本のように高騰していません。
 シェールガスがありますので、高騰が抑えられています。
 http://ecodb.net/pcp/imf_usd_pngasus.html


 ヨーロッパは高値安定でしょうか。
 http://ecodb.net/pcp/imf_usd_pngaseu.html


 商社などは、価格が安いアメリカからの輸入を考えているようですね。
 今後は調達先を多様化して、価格が少しは下がると思いますが・・・・