なぜ円安なのに、日本の輸出が思ったよりも伸びないのか? 〜価格弾性と国際分業

 2012年〜2013年にかけまして大きく円安になりました。
 輸出が大幅に増加することが期待され、貿易赤字が減ることが期待されましたが、自動車など一部以外思ったよりも、輸出が伸びていません。
 なぜでしょうか?


 理由は沢山あると思いますが、その理由の一つして考えられるの高度な国際分業です。


 日本の企業は円高の際に海外に進出しましたが、残った企業は円高でもそれなりに強い企業です。


 円高でもそれなりに強い企業とはどんな企業でしょうか?
 自動車などもありますが・・・・多くは日本でしか作っていない製品を作っている企業でしょう。


 アメリカで言うとインテルのCPUや各種ITサービスみたいなものです。
 ドル高になろうと、アメリカ以外にほぼ選択肢がなく、アメリカから買わないといけない。


 コマツの大型トラックなどは、円安になったから2台じゃなくて、3台買うといういうような代物ではありません。
 まぁ、キャタピラーとのシェアは少し変わるかもしれませんが・・・


 このような製品は、価格弾性が低く値上げしても需要があまり落ちない、つまり、円高でもあまり輸出が減らない
 代わりに、値下げしても需要が増えない、つまり円安でもあまり輸出は伸びないという特徴があります。


 つまり・・・・円高になっても、そんなに数量は伸びない。
 まぁ、値上げにより、収益はアップするかもしれませんけど。


 スマホなんかは、逆に円安だろうと円高だろうと競争力がないので、もうどうしようもないという感じでしょうか。


 2004年頃は、シャープなど日本回帰が目立ちましたが・・・今回は日本回帰はなかなか起きそうはありませんね。
 そもそも、日本必要なのは、円高でも輸出競争力がある製品・産業なので、円安を武器にした低価格、低賃金勝負みたいな製品は、戻ってきても、直ぐに出て行くのかもしれません。