注意:この対策は定山渓以外でも可能です。
内容は簡単でして、地元で地鶏を育てて、卵を使った料理を出そうと言う話。
その名も、『定山鶏』プロジェクト。
【背景】
正直、定山渓には、これといった名物やお土産がない。
多くの温泉街観光地では、木工品や陶磁器などの工芸品や雑貨で溢れているのに、定山渓には、いまいちない。
あるとしても、温泉まんじゅう程度。
(玉ねぎスープもありますが)
商店街のようなものはない。
これでは、街歩きやそぞろ歩きが盛り上がらない。
風景を楽しむ遊歩道はあるだけどね。
そこで、考えたのが無理やり特産物を作る。
定山渓は南部に畑があるので、不可能な話ではない。
【なぜ卵なのか】
①1年中取れる
②用途が多く手離れが良い
③生産のハードルは低いと思われる。
②用途が多く手離れが良い
新規ビジネスをするうえで商品の手離れが良いのは重要。
卵はいろいろと用途が多いので、手離れは良いと思われる。
・出し巻き卵や朝食の卵、その他の料理
・スイーツ(プリンやケーキなど)
・温泉卵
・土産
定山渓には、セルフで温泉卵を作る場所があるので、結構売れると思う。
朝どれ卵の出し巻きや朝食の卵(TKG)はそれなりに面白いと思う。
プリンやチーズケーキ、アイスなどのスイーツも良い。出し巻き卵はお土産にしても良い。
気に入った人は生卵を土産に買うかもしれない。
値段は農家出荷で1個、30円〜50円。通常の値段の2倍から4倍。
高いけど観光向けのスペシャル系なので問題ない。その代り絶対の品質じゃないといけない。
農家→定山渓のホテル・店なので物流コストは僅か。
しかも、新鮮。
③生産のハードルは低いと思われる。
私自身は飼ったことはないですが、
自分の家で鶏を飼っていましたという農家は多い。
学校でも買われる動物の一種ですし、他に比べますと比較的ハードルは低いと思われます。
あと、流通もハードルが低いんですよ。
パックに詰めて、ホテルや店に運ぶだけですから。
【採算性】
採算性はある。
単価も高く、販路が決まっていて、物流コストが低いので、品質が高いものが出来、作り過ぎなければ十分ビジネスになります。
一日、2千個、1個40円として、8万円相当の卵を得るには、だいたい4000羽(大人になる時間差があので6000羽)必要。
(これは品種に依存。普通は1日に0.9個の品種、烏骨鶏は1週間で1個か2個。ここでは2日に1個で計算)
地鶏を育てるには1平方メートル当たり10羽。
余裕を持って、1平方メートル当たり2羽とした場合。
3000平方メートルが必要。
0.3ヘクタール。余裕を持って0.5ヘクタールとしましょう。
8万円×365日=約2900万円。
通常の卵の生産コストが1個10円
http://www.nichirankyo.or.jp/qa/ryutsu.htm
餌や手間が増えたとして、1個20円としても。
半分、1400万円残る。これはさすがに儲かり過ぎ。
生産コスト1個30円としても、700万円は残る。
0.5ヘクタールで700万円なら、
農家としてはかなりの収入でしょう。
【なぜ採算が合うのか】
通常は地鶏はなかなか採算に合わない。
でも、この場合は採算が合う可能性が高い。
理由は簡単。
①販路が決まっていて、直販のため流通コストが非常に低い。
②旅行効果で高くても消費者の手が出やすい。
③朝どれ卵などの付加価値
【最大の障害】
やる気と行動力。
やる気と行動力のある農家、旅館ホテルを見つけられるかが最大の問題。
商工会と農協は組織が違うから、意外と連携が無かったりするんですね。
【なぜ肉じゃないのか】
肉は解体があるので、ある程度、卵が軌道に乗ってからにする。
源泉の温度が高ければ、黒川温泉のように、温泉蒸気で蒸して調理すると面白い。
また、ホルモンや刺身、焼き鳥や鍋など用途は多い。
【道後温泉、熱海温泉】
応用。
道後温泉、愛媛のあたりはミカン畑が多い。
ミカン畑の地面で地鶏を育てれば、特産物にもなるし、農家の収入アップになる。
(ミカン畑に地鶏はやっているところも多いけど、やっていないところも多い。)
香川にオリーブハマチと言うがあるけど、ミカンの皮を食べさせると、ミカン地鶏になるのだろうか?
これはやってみないと判らない。