アップルだけではなく、アマゾンによる電子ブックの普及が進むアメリカ。
日本では、出版・メディアの利権争いという側面が強調されていますが・・・・
知識への影響を考慮しているとは思われない。
私が言うまでもなく、本と知識と教育・図書館には密接関係があります。
【大学における変化】
医学書などの専門書は、非常に厚く・重いので、電子化が進み喜ばれています。
そして、それらの本は、電子書籍として、図書館に格納されます。
電子書籍なので、検索も楽ですし、借りられないと言うこともない。
研究におきましては、文献調査・先行研究調査が重要ですので、それが素早くなるだけでも、知識創造のスピードは上がるだろう。
知識創造は、内容はもちろん重要ですが、スピードが重要です。
同じ研究結果を出したとしても、一ヵ月遅れれば意味がありません(特許なら一秒でも駄目です)
そのため、知識を簡単に調べられる・見ることが出来ると言うのは非常に重要です。
さらに、一言と図書館と言っても、アメリカの図書館は本を集めるというだけではなく、知識と情報のデータベースという感じが強い。
また、そのため、知識を調べる能力が高く、起業の起点になったりする(アメリカの図書館では、既存の書籍の電子化が進んでいる)。
書籍の電子化により、海外の書籍・専門書を買うことがより容易になるでしょう。
そのため、英語を読める人間の情報収集能力は、世界スケールでより素早くなるでしょう。
一方、日本語の壁で、日本は途上国にすらおくれをとるかもしれません。
【小中学校】
本が変化する以上、当然、知識に影響を与える。 そして、それは教育現場への変化になるでしょう。
が、日本では紙信仰が強いですし、メディアも自分たちの利権のために紙に固守したキャンペーンを行っています。
専門書の電子化の流れも遅く、
小中学校の電子化は遅れています。
電子教科書は、すでに世界のトレンドとなりつつある。ウルグアイでは完全移行済み、米国も州によっては移行済み、フランスが今年完全移行、シンガポールが来年、韓国が2013年に完全移行するそうです。
日本は早くても2015年、遅ければ文科省の計画通り2020年から完全移行となるらしい。
さらに、教師が使いこなせるか、非常に怪しい。30代の先生ならまだしも、現在、40代、50代の先生方が使いこなせるのだろうか?
非常に怪しい。
【国境を超える教科書】
歴史は無理だとしても・・・・
数学や理科の教科書は、国境を越えることは可能だ。
英語圏の教科書は、海外での売上を視野に入れて、多額の開発費を投入した教科書を導入する可能性がある。
その場合、日本と英語圏では、内容の充実度に、雲泥の差がある可能性がある。
10年後は、ガラパゴス教科書なんて言われるかもしれない。