コダックの倒産 〜問題児を育てずに切った代償

コダック


 1975年には世界で初めてデジタルカメラを開発したので、デジタルに無関心・無知だったわけではない。
でも、ビジネスモデルも合わないし、会社のリソースとも合わないので、真面目にやらず。


 コダックはフィルムという消耗品ビジネスなので、カメラ中心の消耗品が少ないデジカメはビジネスモデルや会社のリソースに合わなかったのでしょう。


【日本のフィルムメーカーとの違い】
 日本のフィルムメーカー(富士フィルム)は生き残っていますが、なぜ日本の企業は生き残れて、コダックは生き残れなかったのでしょうか?
 ポイントは多角化です。


選択と集中
 コダックは、選択と集中により、低収益の部門(問題児、負け犬)を売却してしまい。本業(フィルム)に集中しました。
 結果、一時期高収益を得ました。
 一方、日本メーカーは、液晶フィルムや医療など低収益(赤字)でも将来性のある部門(問題児)を大事に育て、現在主力にしました。












<問題児
(question mark, problem child)
>競争激化→育成
花形製品(star)
成長期待→維持
負け犬
(dogs)
停滞・衰退→撤退
金のなる木
(cash cow)
成熟分野・安定利益→収穫
小← 相対的マーケット・シェア →大
小← 利益率(の場合あり) →大
成長−シェア・マトリクス(BCGマトリクス

注意:BCGマトリックスでは、市場シェアだったはずですが、利益率でも良いはずです。


 負け犬は、切っても良いのですが、問題児を切ったコダックは、短期利益志向のやりすぎだったのでしょう。