派遣は本来高いもんだ 〜派遣に必要な法律

【本来の派遣の使い方】
 本来、派遣とはリースやレンタルと似たようなものだ。
 なぜ、会社はリースやレンタルを使うのだろうか?
 安さだろうか?
 安さではない。


 レンタルやリースも、長期に利用した場合、買うよりも安くないことが多い。
 レンタル会社やリース会社の手数料が入るからね。
 でも、「初期費用の削減によるビジネスリスクの減少」「必要に応じて数を確保できる」「固定費の削減」に繋がるので、高くても皆使う。安さではない。


 企業が、派遣を使う理由は、レンタルやリースと同じ。


 たとえば、イベントの作業員。
 多くのイベント会社は、毎日イベントがあるわけではないので、イベント企画会社が、常に抱え込んでいたら、費用が大変だ。
 そのため、必要に応じて、イベント派遣会社から雇うという形式を取る。


 IT産業も、常に膨大なプログラマやテスタを雇うのが大変なため、派遣で対処する。


 本来、派遣とは、自由さの大小に、企業が高いお金を払うものなのだ。


【労働力という商品】
 一般的な商品は、長期まとめ買いすると割引で安くなり、必要に応じて買うと高くなる。

 労働は商品なのだから、本来、需要に対応してキャンセルができる派遣は、長期雇用の正社員より高いはずなのだ。
 ところが、安い労働力として、企業では雇われている。
 ここが大きな問題を引き起こす。

 不安定な雇用かつ低賃金という何ともな仕事になってしまう。
 本来なら、同一な仕事ならば、不安定な雇用なら高賃金、安定雇用なら低賃金でないといけない。


【雇用の保証は誰がする?】
 派遣元会社が、雇用を保証していない点に問題がある。
 もし仮に、派遣元がある程度、雇用・賃金の保証をしなければいけないとなると、簡単には安値で派遣することは出来ない。
 現状では、派遣元がいとも簡単に、派遣社員?を解雇、契約の終了が出来るため、完全に穴になっている。
 また、倒産という抜け道もある。


【法律により、強制の派遣保険なり派遣積立金制度を作る必要がある】
 バンバン社員を首にする、または、実績のない派遣会社の保険料なり、積立金を高くする。

 これにより、悪質な、いとも簡単に倒産して逃げるような会社は、維持が困難になる。
 そして、比較的良質な、バンバン社員を首にしないある派遣会社が生き残る。

 また、保険金や積立金を、首になった派遣社員?に支給するお金に使う。


 保険料や積立金が費用としてかかるので、当然、派遣受け入れ会社にとって、派遣=安いと言うことはなくなる。


 こんなことしたら、派遣会社の多くはつぶれるかもしれない。
 いや、潰れても良いんだよ。悪質な派遣会社なんか。

 国際競争力がなくなる?
 派遣社員の賃金が20〜30%上がったくらいで、倒産する企業って何なんだろうか?
 正社員何やっているの? 
 起業の国際競争力の源が、派遣の低賃金なんて企業は、大問題だろう。


 実は、単に首切り要因として、派遣を使っている企業は、生産性が良くない。
 長期雇用による生産性の向上と、利益への貢献は結構大きいのだ(基本的に離職率が高い会社は生産性は低い)。
 派遣使って、首切って、利益を上げようとする会社は、財務中心の発想なので、だいたい長続きしない。