手とり足とり「敵」を育て上げて日本半導体と液晶産業

 手とり足とり「敵」を育て上げて日本半導体は自滅した
 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/9694?page=4
という記事がありました。

 こちらは半導体の記事ですが、液晶など他の産業でも、似たようなことは起きています。
 造船や鉄鋼なども似たようなものです。


 経営者、著名なアナリスト、有名なジャーナリスト、一流大学の社会科学者の人たちは、装置メーカーから流失したようなことを言っていますが...


 実際は、企業間の技術協定により流失して居るんですよね。


【なぜ、そんなことをするのか?】
 ポイントは、
 ①自社のコスト競争力の問題
 ②他者との関係
です。


 日本企業よりも、韓国・台湾の方が人件費が安く、コスト競争力が高いと考えていたようです。
 そのため、他社が韓国・台湾のメーカーと提携して、安い製品を開発された場合、自社の高い製品は不利になります。そのため、台湾のメーカーと提携したがります。


 また、上位メーカーは良いのですが、下位のメーカーは単独で生き残れることが困難になりますので、パートナーを求めます。
 そのパートナーが、韓国・台湾のメーカーです。80年代、目先の最大のライバルは日本メーカーでしたので、韓国・台湾のメーカーと提携したわけです。


 この時代に、敗北を認めて、日本メーカー同士で、合併していたら、だいぶ状況は変わっていたと思われます。


【彼ら独自での進化】
 日本サイドではなく、台湾サイドから半導体・液晶の歴史を見ますと、彼ら自身が日本のメーカーと提携して、技術を得ていることが良く判ります。


 また、ある程度基礎的な技術を得て以降は、彼ら自身でも技術を進歩させています。


 液晶において、シャープは、第4、第6、第8、第10世代の工場を立ち上げていますが、
 韓国のメーカーは、シャープの世代の合間に、独自の第5、第7世代工場を立ち上げています。


 ネットや経営者の人たちは、単純に、日本から韓国・台湾に流れている(盗んでいる)と考える人が多いのですが...
 その結果、彼らの対応は、ブラックボックス化、秘密厳守、技術情報流失防止されすれば、韓国・台湾は追いついて来れないなどと言う、誤まった幻想を持ちました。


 相手を舐めすぎですね。