中小企業の利益の分布は、こちらのサイト。
製造業で、営業利益率20%を超える大企業は、なかなか存在しない。
しかし、中小企業においては、そんなに珍しいことではない。
【なぜ、儲かる中小企業が多いのか】
■市場を押さえる
高い利益率を得るためには、市場を独占し価格決定権を企業側が握らないといけない。
大企業は、大市場を狙うために市場独占は容易ではないが、小市場ではライバルが少なく独占できる場合が多い。中小企業ゆえにニチ市場を狙え、高収益を得られるのだ。
悲しいかな、ニチゆえに有名ではないけど...
それにニッチで儲かっている中小企業は、あまりそれを大きな声に出さない。
儲かっていることがばれて、ライバルが来ることを恐れているためだ。
■価値を加える
一言、大企業といっても、きっちり価値を作る大企業と価値を作らない大企業がある。
価値を作らないメーカー系大企業の多くは、部品を買ってきて組み立てている。
しかし、単純組み立てなら、外国の方が良い。
今の時代、組み立てが外注で、設計するメーカーはまだましなほうだ。設計も外注して、企画だけの商社みたいなメーカーも多い。
つまり、もともとの粗利というか、手数料が低い。そのため、当然ながら売上高に対する利益が低い。
では、手数料をアップルみたいにガッツリ取れるかと言うと...そこまで価値を加えていないので、競争になり、その手数料も低い。
多くの日本の大企業は、でかいだけが強みで、意外とせっぱつまっている。
そのため、下請けイジメなどを使してコスト削減、派遣を使って固定費削減するしかない。
確かに中小企業よりも絶対額で金を持っていて、それを使って人をこき使うしか手がない。
対して、コマツなど価値を作っている大企業は、粗利(付加価値)も高いし、利益率も高い。
利益率の高い中小企業も同様に、粗利(付加価値)が高い。
下請けと言うと印象は悪いが、一番価値を作り日本で儲けているのは一部の中小企業なのだ。
【待遇が良い中小企業】
待遇が悪い中小企業も多いが、待遇が良い中小企業も多い。
家に近い、子育てなど大企業以上に融通が利く場合も多い。
もちろん、こういう中小企業は、地元で人気が高い。
【大企業を選ぶ際の注意点とリスク】
大企業なら、どこでも良い訳ではない。
■ノーワーキングリッチ
駄目な大企業は、ワーキングプワーならぬノーワーキングリッチが存在する。そして、それは若手ではない中高年だ。若手は彼らのために一生懸命働かないといけないのだ。
■ライバルを見る
同一業界に、小さいけど、若い生きの良いライバル企業がある場合、数年後、その会社に負ける可能性が高い。
間違っても、そういう大企業には入って行けない。若手がおらずシワ寄せは若手に来るが、利益は回って来ない。辛いだけだ。
また、国内だけのライバルを見てはいけない。シャープみたいに国内は圧倒的だけど、世界では劣勢と言う場合があるためだ。
■価値創造者にならないと意味がない
大企業の管理職は、給与が良い。本当に良い。
しかし、彼らが価値創造者かというと怪しい。価値創造者の人もいるが、多くは管理者であり、コストだ。しかも、非常に高いコスト。
多くの大企業のホワイトカラーは、悲しいかな価値創造者になれない。
新卒者が管理職になる比率は低いが、派遣を使うプチ管理職になる人は多い。
プチ管理職は、人をこき使う優越感を感じられるが、自分の技能は上がらない。価値創造者になれないのだ。
価値創造者になれないのであれば、後はポジション争いに明け暮れる可能性が高い。ポジション争いに明け暮れれば、さらに技能を上げる時間がなくなる。
会社をリストラされた瞬間...中小企業出身者よりも、価値がなかったりする。