管理職・ミドル層の権限を強化しても、良くなるとは限らない

 90年代以降、管理職・ミドル層の権限を強化する企業が増えているそうです。
 理由はいろいろありますが、現場を知らない人事に適材適所ができるのかという問題があります。なら、現場を知っている管理職・ミドル層に権限を与えてしまえと言う話ですが...問題も多い。
 現場の上司の権限が強い精度は、成果主義制度と同じように、アメリカ型の人事制度の導入です。長所、短所を吟味して、短所の補強策をしていれば良いのですが、意外と現場に丸投げだったりします。
■問題点は?
 最大の短所は何か? 最大といっている割に二つあります。
①YESマンの増加、反対意見を出すのが困難になる
②コミュニケーションの欠如

①YESマンの増加、反対意見を出すのが困難になる
 これは判り易いです。人事権を持ち、給与を決める相手に反発するのは非常に困難です。つまりYESマンが増えます。上司には居心地が良いでしょうが、YESマンに囲まれた人間は間違いなくバカになります。また、不満は改善されず、地下に隠れてしまいます。
②コミュニケーションの欠如
 権限がない場合、人はコミュニケーション、説得により相手を動かそうとします。そこでは当然、部下の言い分を聞くことになるでしょう。部下のほうが道理があるかもしれません。結果、別のことを行うかもしれません。
 時間はかかりますが、すり合わせもありますし、部下もそれなりに納得して行いますので、実行するまで時間はかかりますが、実行速度や品質は良くなります。
 自制心が強い人ではない限り、人間の特性として、権限を持つ人間は話を聞かなくなります。すい合わせや部下の納得がないため、現場も物事を理解せず、すり合わせがないため実行時にいろいろとボロが出てきます。結果として実行速度や品質は悪くなります。
■結果どうなるの?
 ①と②により、結果として風通しの悪い会社になるでしょうし、現場はどんどん物事を考えなくなります。
 中長期的に業績が良い会社の共通点は、「風通しが良い」「現場が考える」などがあります。
 まさに、正反対ですね。アメリカは、短期利益思考なので、良いのでしょうけど、日本の強さは、そこではありません。