ゲームと品質管理 その① 組織体制

 一言、品質といっても二種類の意味があります。


①仕様書通りできているか、バグがないか。
②面白いか(お客様から観た価値)


 ゲーム以外の一般の産業でも①と②を扱います。
 食品産業に置いて、食中毒は起きなくても、美味しくない料理に価値がないのと同じです。どの産業でも①②に近いことは重要です。②はマーケティング色が強いですね。


 企業においては、①は品質管理部、②はマーケティング・企画部となります。


 悲しいかな、品質管理部とマーケティング部は交流はほとんどありませんが...ゲームの場合、両者の交流が重要になります。


 なぜか?
 テスターさんは、バグを発見するだけではなく、モニターとしての機能があるためです。
 ゲームは、通常のソフト開発と違って、機能を満たしていればOKというわけではないためです。


■品質管理部は企画部の下か、開発部の下か、別組織か


 どのケースもあると、思います。
 組織構成は会社によって、かなり違いがありますね。企画部が開発部の下にある場合もありますし、別の場合もあります。
 どれも、一長一短ですね。
 組織作りを失敗しますと、デバッグチームの意見がゲームデザインの部署・人に届かないことが多く、テスターさんのその機能は軽視されてしまう場合があります。


 また、プログラムを知らない人が計画を作った結果、人的な無駄が多くなったり、重大なバグが後半に見つかったりします。


■どのタイミングから管理するの?


 現在は、ハートでもソフトでも、設計の段階から、品質管理する場合が多いのですね。


 ゲームの面白いか、面白くないかの判定は企画書だけでは判りませんが、8割は判るといわれています(革新的なソフトはやってみないと判りませんが、そんなソフトは滅多にないので、だいたい判るみたいです。では、なぜ糞ゲイが生産されるかというと...内部の都合や内部の政治力学だったりします)。


 品質管理が出来ていない会社ほど、品質管理が明確ではなく、後工程で管理します。
 最後の最後の後工程は、消費者しょうか?
 シャレになりませんが。


PS
 テスト計画は重要です。通常プログラム分業は機能ごとに行いますが、テスト側がテストを並列に行わない場合、メンバーごとにムラが起きます。私が体験した例では、ネットワークゲームの複数プレイを、納期間際にやられた例です。


 納期間際に、複数プレイのバグ報告が大量に来て、私も含めて、複数プレイを開発していたメンバーは涙が出ました。
 複数プレイのネットワークゲームなんだから、かなり優先的に、テストされていたと思っていたのですが...

 何で、納期間際にやったのか聞いたら、人数が確保できなかったためといわれた。
 確かに、単機能テストも重要だけど、一時期にまとめてくる人の身になって欲しい。