[その他]輸出依存と日本経済

 一言、輸出依存といっても、いろいろ見方があると思う。
 日本のGDP(国内総生産)に対する輸出の比率は、韓国・ドイツなどと比べると大きくない(もっとも、国内流通のようなEU内国への輸出を、日本の輸出と同じように考えるのはいまいちのような)。
 そう観ると、日本は輸出依存ではない。
 一方。
 2002年以降のGDPの伸びた分が、ほぼ輸出とそのための設備投資という点(個人消費はほとんど増えていない)で、輸出依存という言葉になる。
 日本は、小泉改革時代は、後者の意味で輸出依存だったと思います。
 輸出が不振になると、不振を理由にして、個人所得の減少、個人消費の縮小となる。
 好景気でも個人消費はあまり増えず、不景気でもあまり減らないなら、まだマシですが、好景気でも個人消費はあまり増えず、不景気だと失業など減るというと何とも、縮小傾向になっている。
 日本は、アメリカやヨーロッパと比較して、経済に占める個人消費が少なく、設備投資(という消費)が多いので、供給過剰になり易い。ある意味、企業・設備投資の取り分が多すぎるので、個人消費が少なく、その結果輸出志向という何ともな構造になっている(アメリカは逆ですね)。また、輸出の減少により設備過剰になり易い。

 重要なのは、個人の生活水準です。そして、それを維持・高めることです。現在の日本の成長戦略・経済構造は、GDPが伸びても、個人消費が伸びない。つまり、生活水準は伸びない状態になっています。これこそが現状の日本の最大の問題であり、不景気が悪化する最大の原因になっています。