日本のアイスホッケーは、なぜ弱くて、つまらないのか 〜より面白くする方法

 アジアリーグも始まり。
 アイスホッケーの季節が始まりました。
 で、いきなりネガティブな意見。


 日本のアイスホッケーは、なぜ弱くて、つまらないのか


 もちろん、日本のアイスホッケーを面白い言う人も居るでしょうし、強いという人も居るでしょう。
 私の主観です。


 アジアリーグは時より面白いと思うのですが、大学・高校の試合はイマイチ楽しめない。
 なぜだろうと考えた。


 理由はいろいろとあると思いますが・・・・・原因の一つとして、パスとレシーブが少なく・下手というのがあると思います。
(私がパスを多用するヨーロッパ・ロシアスタイルが好きというのもありますが)


 国際試合の映像とか見てますと、ドリブルでの得点のシーンが多いんですよね。パスを繋いでの得点が意外と少ない。
 案の定、得点に対するアシスト数が他国と比べると少ない。


 さすがにアジアリーグだとパスは増えますが・・・・


 高校生・大学生・社会人の試合を見ていていると、パック運びは、ドリブルとダンプ?中心。
(小学校と中学校は、ドリブル?)


 連続パスなんて、ほとんどない。
 DF間で少しあるくらい。これでも少なすぎる。


 その結果、選手が右へ左へ動いているだけ・・・・に見える。
 当然、単調な試合だ。そして、つまらない。



 同レベルの強さの相手と対戦する、世界選手権U18,U20でも、基本このスタイル。


 日本のゴール数とアシスト数がほぼ同じだった。
(2014年の世界選手権の男子代表は改善されたけど。あとDIVのレベルによります。落ちるとアシスト数が増える)


 他国は、だいたいアシスト数は、ゴール数の1.5倍はあるのに。
(アイスホッケーはアシストはA1,A2まで記録されるので、最大アシスト数はゴール数の2倍になる)


 日本がドリブル依存のスタイルなのかを物語っているような気がします。
 ほぼ同じレベルのDIVの他のチームと比較して、日本だけが特異な値なので、日本だけが得意な戦術をしているともいえます。
 

 ゴール数とアシスト数がほぼ同じというのは、国内の大会の上位戦になると現れます。
 ワンサイドの試合ですと、アシスト数はゴール数の2倍に近くなります。
 つまり、緊迫した接戦の試合程、パスが減る。


 確かに弱者の戦法として、ダンプはありますけど。
 決勝戦は互角なのですから、パスで崩すが基本のような気がしますが・・・
(ワンサイドの試合の方が、パスが多い。接戦になるとパスが減り、ドリブル・ダンプ中心になる。)
 結局、余裕がないとパスとレシーブが出来ないというのはかなり問題な気がします。
 弱者が強者と対決するなら判るんですけど、決勝戦でこれだから問題は深刻。


 アイスホッケーは、サッカー以上にアシストに比重を置いたスポーツのような気がします。
 何と言っても、ダブルアシストまで記録されるし。


 評価指数であるGPは、アシスト+得点。
 得点とアシストが同じ評価なのだ。


 また、ドリブル依存は、いろいろと問題を引き起こします。


【問題】
 結局、パス・レシーブが少なく下手というのが、弱さに繋がっているような気がします。
 サッカーで言うオフボール(オフパック?)の動きがものすごく悪い。
 そりゃそうだよね。
 一生懸命動いても、パス来ないんだから。
 ダンプを追っかけるだけなんだから。
 

 パスが少ない→ドリブルとダンプ中心→オフボールの動きが無意味→オフボールの動きが悪い→さらにパスを出し辛くなる→パスが少ない の悪循環。


 シュートだって、ドリブル中心だとゴーリーの正面になるわけで、当然、入る確率は低くなる。
 日本人は決定力がないと言われるけど、そりゃ落ちるよ。


【パワープレーが上手くない】
 パワープレーの時、相手が守備中心、ドン引き状態になる。
 当然、ドリブルで得点なんて言うのは、稀。


 細かいパスと強烈なシュートに期待するしかないだけど。


 パスとレシーブがイマイチだから、パワープレーが上手くない。
 その一方で、パックを取られて、ショートハンドゴールを取られたりする。



【守備が悪い】
 より問題なのが、守備。
 オフボール(オフパック?)の守備の動きが凄く悪い。


 マークが甘いし、周りを見ていない。パックばかり見ている。
 これはかなり深刻。頭が回っていない。


 その結果、敵が動いているのに気付かず、フリーにしてしまい、パスが来て失点のパターンが多い。


 日本国内の対戦だと、攻撃がドリブルとダンプ中心なので、マークが甘くても大丈夫だし、パックばかり見て見ても、あまり問題じゃない。
 でも、海外との対戦だと問題になる。


 ユースの国際大会で、大量失点が多いのも、この点が大きいと思われる。2点リードしていてから突然の大量失点なんて、実力差と言うよりもミスの産物。
 焦って、視野狭窄、周囲を見る余裕がなくなって、大量失点しているんだと思う。


 さらに、相手はパスでゴーリーの体勢を崩して、シュートする。ゴーリーは慣れていないから、当然、失点も多くなる。 


 そもそも、マークが甘いので、パスが通り易いし、シュートが打たれる本数も多くなる。当然、失点も多くなるよ。


 本来、日本の選手はスケーティングが上手いので、足の速さを守備に生かして、マーク・チェックを厳しくすれば、そんなにシュートを打たれるわけがないんだけど。
(たぶん、トレーニングすれば、2割3割はシュート本数が減るはずだ)。


 日本のアイスホッケーが「スピードを生かせていない」「100万ドルの足、1セントの頭」と評価されることもあったらしいのは、この辺だと思う。


【国際的な評価が低くなる】


 あと、NHLとかからお呼びがかからないのも、このあたりだと思う。
 どんなにドリブルとスケーティングが上手でも、
 パスやレシーブが出来ない。
 チームワークが出来ないのであれば、評価されるわけないもん。


【本当に下手なの?】
 散々書いておいて、これは微妙。
 結構きれいにパスを決める時があるので、本当に下手なのかと言われると・・・・断定できない。


 コーチ・監督の方針・指示しだいで、大幅に増加する可能性がありです。


【なんで改善できないの?】


 そもそも、子供時代から、ドリブルとダンプ中心なんだから、大人になってからそんなに急に方針転換できる訳がない。


 噂によると、
 ロシアでは子供の頃からパスを推奨するらしい。
 単純なドリブルとシュートよりも、
 横パスでのアシストを入れてからのシュート。


 子供の時は、パスするよりもドリブル・シュートの方が成功率は高いと思うよ。
 子供の時に勝つためには、それが一番だと思う。
 それに、小学生の時は、3学年単位なので、6年と4年生が混在している。
 4年生にパスよりも6年生がドリブルで突き進んだ方が良いとなってしまう。


 でも、そのスタイルじゃ、年を取ってから苦労してしまう。


 ロシアの教育スタイルは、子供を長く見るクラブチームだからできる教育かも知れない。


 日本みたいに、小学校、中学校、高校で組織が変わると、目先の一勝にこだわるトレーニング・チーム作り・戦術中心になるんでしょうね。


 あと、選抜大会とかに問題がある気がする。
 選抜大会の場合、チームワークは期待できない。
 その結果、チームワークを期待しないで済む、ドリブルとダンプが中心になるだろうし。
 選手の選抜自身が、ドリブルの上手い選手になりそうな気がする。


【大会の改善】
 学年をより細かくした方が良いと思う。


 それじゃあ、場所が大変だし、そもそもメンバーが集まらない可能性があるので、最小単位を小さくする


 小学生は、ベンチ人数最大7人の3ON3のクロスアイスで良いような気がする。


 学年の2学年単位の2年生以下、4年生以下、6年生以下にする(上手い子は上のグレード)。



【より面白くする方法】


 対策としては・・・・・
 邪道だけど、ゴールの点数を変える。
 バスケットの3点シュートみたいに、同じ1ゴールでも過程により点数を変えるのだ。

 
 格闘ゲームのコンボボーナスみたいなもんだと思っても良い。


 1ゴールにつき、ゴール点で1点、アシスト点で1点。
 アイスホッケーだとA1、A2まで記録されるから、上手くすれば、1ゴールが2点、3点になる。
 チームワークでパスを回して、点を入れれば、より点数が多くなる。個人技よりもチームワークが中心。


 ドリブルの上手い子供だけが、パックを持って点を入れるよりか、複数の子供が関与したほうが点数が上がるゲームルールにした方が、絶対面白いと思うぞ。


 例1

 小学校4年生の子供が、ドリブルでゴール側まで持ち込む。
 そのまま、シュートで得点。
 スケーティング遅い3年生が少し遅れて、ゴール側まで来る。
 パックに触っていない。全然ゲームに関与していない。


 例2

 小学校4年生の子供が、ドリブルでゴール側まで持ち込む。
 4年生は、ゴール裏に回り、味方が来るのを待ちつつ、敵をまく。
 スケーティング遅い2年生が少し遅れて、ゴール側まで来る。

 4年生がパスして、3年生がシュートで合計2点。


 例1と例2
 3年生にとって、どっちが面白いだろうか。
 どっちの4年生がより高度なプレイをしているだろうか?

 観客から見ても、どっちのゲームが面白いのだろうか?


 子供の内は、こんなゲーム・大会があっても良いのでは?