シェールガス革命は、アメリカをガス輸入国からガス輸出国に変化させ、アメリカのガス価格を大幅に低下させた。
そして、ガスの価格低下は、エネルギーを大量に用いる産業のアメリカ国内回帰を進めました。
この影響を日本にも影響を与えました。日本は原発以降大量のLPG(液化ガス)をカタールから大量に輸入しました。なぜこんな対応が可能だったのでしょうか。
このLPGは本来アメリカに輸出する予定でしたが、シェールガス革命により行き場を失ったものです。もっとも、相当バカみたいに高い値段で買ったようですが。
【シェールオイル】
シェールオイルもシェールガスの技術の応用です。シェール層に水平にパイプを打ち込み、シェール層にひび割れを入れ、オイルを取ります。
シェールオイルの一大産地は、ノースダコタ州です。近年増産し、テキサス州に次ぐ産出量を誇ります。
ノースダコタ州は、ロッキー山脈の東側、アメリカ合衆国中西部の最北部、グレートプレーンズ(大平原)にある州です。
人口は70万人以下で、オイル革命以前は人口が減っていた一言で言う、ド田舎。
こんな地域で石油は不思議かもしれませんが、昔は普通の油田がありました。しかし、枯渇しました。
その一方、石油の埋蔵自身は、確認されていました。また、北部にあるカナダ、アルバータ州ではオイルサンド?による石油が採掘されていました。
存在は判っていたけど、技術とコストが原因で手が出なかった油田なのです。
【シェールオイルの影響】
価格と政治、経済いくつかの影響が考えられます。
生産コストが高いので、30ドル程度に下がると赤字になりますが・・・背球の供給・オイルピークへの不安が低下したため、石油価格の低下に貢献します。
そして、アメリカ内での生産が増加したため、アメリカの海外依存度が低下しました。
アメリカの石油の海外依存度は、2000年代中ごろの60%から40%ぐらいに低下しています。
もともと、アメリカの中東輸入依存度は、20%以下でした。
最大の輸入国がオイルサンドのカナダ、メキシコ、ナイジェリア、ベネズエラなど中東・サウジ以外の国から輸入が多いです。
中東への依存度は10%程度で、エネルギーの安全保障という点では、もはや重要ではありません。
また、輸入量が低下し、価格が低下するので、アメリカの貿易赤字削減に多少貢献します。
アメリカにとっては、石油産業、化学産業の雇用増加につながりますので、環境問題などありますが推進は続くと考えられます。
まっと見、輸入額は減っていませんが・・・・
輸出が増えているため、トータルでは輸入額は減っています。
【他国への影響】
中国も、国内にシェールガス、シェールオイルが存在しています。
全部自給するのは無理ですが、以前ほど資源不足への恐怖はないはずです。
日本でも秋田で、シェールオイルを採掘する計画が進んでいます。もっとも、時給には全然足りませんが。
結局、中東から石油を輸入するのは、ヨーロッパの一部、中国、インド、日本、韓国などとなるわけです。