学生時代。知り合いが演劇をやっていた。
その時、苦労したのが宣伝だ。
小劇場の演劇を好きな人は何%だろうか?
たぶん、1%もいないだろう。さらに彼の尖った作品を好きになってくれる人は、0.01%だろうか。1万に1人くらい。ビラ配りじゃ巡り合えないだろう。
しかし、考えようによっては、日本全体で12000人は居ることになる。東京だけでも1200人。その10%、120人をファンに出来れば、小劇場なら満員だ。
当時、このようなマニアな人に宣伝するのは非常に困難だった。
しかし、今の時代はネットがある。ネットの出現でだいぶ楽になったはずなのだが、活用している劇団は少ない。
【動画】
ネットがこんなに発達したのに、演劇の動画を乗せている劇団は少ない。
あっても、多くは3分程度の短い紹介程度のもの。メーキングや告知が多い。
なぜ、旧作品(上演した作品)を全部流さないのだろうか?
旧作を流さないことで、どんな利益を生み出しているのだろうか? そんなものはないはずだ。
貧乏小劇団だから流さないのではなく、貧乏小劇団こそ積極的に流すべきなのだ。
海外の音楽業界では、ライブのコンサートが収益の柱になっている。
PVや音楽をネットで配信するのは、単純に収益のためだけではなく、ファン獲得のための広告媒体として使っているためだ。情報発信こそ最大の広告である。
そもそも、小劇団は、DVD販売が収益源ではないのだから、なおさら気にしなくても良いだろう。
面白動画のようなアイデアものでも良い。センスを感じる動画を作れば、良い宣伝になるだろう。
お金を取ってからファンになってもらうのではなく、ファンになってもらってからお金を取る。ビジネスの基本は、GIVE&TAKE。
テアトル・プラトーなど配信しているところもあるが、動画配信でお金を取ろうとしている。これではなかなか上手くいかないだろう。
YOUTUBEなら、対してお金もかからない。
それに、ブログにリンクを貼ってもらえたら、宣伝になる。文字で云々よりも、百聞は一見に如かずだ。
【ジブリ】
ジブリは動画配信をしていないが、似たようなことはやっている。ジブリでは、新しい映画を製作すると、かならず古い作品をテレビで流す。放映料のためではない。宣伝のためだ。
【品質確認】
動画を見ることにより、消費者は劇団のレベルの品質や傾向を知ることが出来る。
自分の好みにあうかどうか、不明なのは大きな心理的なハードルだ。
これにより、初心者にとっての心理的なハードルは低下する。
【試食効果】
試食は最大の販促です。品質にもよりますが、映像を見る人は、多くの場合、好意的な印象を受けます。
【動画を取るのが面倒?】
ハッキリ言って、動画を取って自分たちの演技が客から見て、どう見えるか確認した方が良い。ネット配信するかは別として、動画は取っておいて方が良いだろう。
【版権】
貧乏小劇団が、版権物をやることは極稀。そのため、大手のようにネットで流して版権で揉めることはない。
【地元対象だから、全国配信は必要ない?】
お客さんは、ネットで全国と繋がっている。ネットで口コミになれば、それは回り回って、必ず地元客のところに来る。
それに、来れないことが価値を高めることもある。ブランド商品などは、高くて買えないところに価値があったりする。欲しいけど買えない人がいることが価値なのだ。ネットで動画見て、生で見たいけど、遠くで見れない、これすらも生で見ることの価値を高めたりする。
【できれば...劇場と】
劇団単体では、さすがに集客力で限界がある。
劇場が動画のポータルとなると、良いのですが...
私は良く知らないのですが...福岡には「ギンギラ太陽's」。札幌には「イナダ組」というTOP劇団があるらしい。TOP劇団が積極的に活用してくれれば、底辺の拡大にもなると思うのですが...