荒っぽく言いますと、最大の違いは、通貨の発行権限がある日本とないイタリア・ギリシャの違いでしょうか?
【イタリアやギリシャは県】
荒っぽく言いますと、イタリア・ギリシャは国と言うより県です。
ギリシャを沖縄県として考えてみましょう。
現状のギリシャは、沖縄県政府が、地方債を大量に発行して、公務員に給料を大盤振る舞いし、住民サービスを良くし、公共工事をバンバンやったような状態です。
当然、財政は火の車。しかも、国(中央政府)からの補助金はないという状態です。
さらに、貿易赤字国です。ガンガン外部から物は買いますが、外部に物を売りません。
地域からどんどんお金が出て行きます。
でも、いままでは、国などが、外部から借金していたので、とりあえず地域にお金がありましたが...
もう貸してもらえません。
その結果、地域からも、国からもお金がすっからかんになるわけです。
ドラえもんの「のびた」的発想ですと、お金(ユーロ)を作れば良いじゃんとなりますが、
ギリシャにはその権限がありません。対して、日本政府はあります。
【日本には中央銀行・日銀と言うカードがある】
日本政府は、ギリシャと違い、自由にガンガンお金を作れるので、「円」が不足すると言うことはありえません。
(日銀がOKする限りですが)
ユーロの中央銀行が引き受けると言う荒業もあるのですが、地方政府のモラルハザードが治らない限り、
いつまでも、引き受けないといけないということになりますので、それでは、ドイツなどが他県が納得しないわけです。
ギリシャにそれを認めるなら、俺もやっちゃうよと最悪モラルハザードの連鎖が起きます。
そのため、まずやりません。
要するに、地方国債を引き受けることを無条件に認めた場合、夕張の様にモラルハザードを引き起こす自治体が、大量に発生する。
【その一方で...誰に借金しているのか】
イタリアは貿易赤字ですが...赤字の主要国は、ドイツ、フランス、中国だったりします。
ユーロ圏内でも赤字、ユーロ外取引でも赤字ですので、そりゃ金欠にもなります。
日本国内では、地域内の赤字は、国の補助金で補正されますが、ユーロ圏ではそれらの補正が利かないため、金欠がより深刻な状況になります。