特許は、アイデアを保護するもの、そのため細部は結構雑だったりします。
例えば、ソニーが持っている特許4671192「画像処理装置および画像処理方法」
【請求項1】
ユーザ以外の人物画像が撮像された画像において前記人物画像の頭部にあたる領域をユーザの頭部画像と入れ替えることにより、前記人物画像の頭部をユーザの頭部に入れ替えた合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記合成画像を画面表示させる合成画像表示部と、
前記合成画像にて合成されたユーザの表情を検出する表情検出部と、
ユーザの表情に応じて所定の処理を実行するユーザインタフェース処理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
「ユーザの頭部に入れ替えた合成画像を生成する合成画像生成部」「ユーザの表情を検出する表情検出部」とあるけど、
ユーザーの頭部をどう入れ替えるかについての仕組みは書いていない。
ユーザの表情を検出する仕組みは書いていない。
そこが上手くできなければ、絵に描いた餅なんだけど...
なくても良いのだ。
あくまでも、アイデアを保護するものだから。
この特許、SFの世界では、ユーザーを映画やゲームの登場人物にするギミックは良くあるので、アイデアとして新しいのかは不明だ。
おそらく、大まかな実装プロセスを書いたところが、SFとの違いなんだろうけど、処理手順に革新性は感じない...特許登録は出来たとしても、特許の内容としては微妙なんだけどな...
ウィキペディアの「ソフトウェア特許」のところに書かれているけど...ソフトウェアが絡むとこのようなものが異常に多い。
肝心かなめなところの中身がない。
【革新的なアイデアだけど、一部実現できていないところがある】
それでも、特許化可能です。その部分が、どんな処理能力を持っているかさえ記述すれば十分です。
なんとも書いていますが、アイデアなんです。
【特許を難しく考えすぎる】
基本的に、昔のイメージが残っているためか、多くの技術者や経営者は、「特許=凄い技術・アイデア」というイメージを持っていますが、現状では、たいしことがないありきたりなアイデアで、技術者ならば誰もが考え付くようなものが、どんどん登録されているのが実状です。
【中小企業の経営に与える影響】
微妙なアイデアであっても、大企業などによりどんどん特許化されて行くので、起訴されるリスクが増しているのは間違いない。
微妙なアイデアでも、特許・権利化されているのは間違いなく。裁判の際には有利に働く。
起訴されてた・起訴されるかもと言うだけでも、十分牽制になる。
そのため、中身がないと判っていも、大企業はどんどん特許を出す。
そして、相手の仕事を妨害するために、知財部はどんどん相手を脅す。
893な世界になったものです。