発展する街、自滅する街 アメリカの不動産を参考に...

こちらのブログになかなか興味深い話が書かれていました。<引用
郊外開発の終焉 → 低迷

  • アメリカ人の郊外への流れは、かつて都市が荒廃していたので、納得できる流れであり、また、短時間通勤圏の土地も豊富にあった。
  • また、低コストで製造業を営むために、土地のありあまるサンベルトの都市の郊外に工場をつくるのも納得できる動きであった。
  • しかしながら、時代は変わり、今では、有能が人材とアイディアが密集するところが成長を牽引するようになった。
  • よって今までの、無造作に広がる郊外の開発は終焉を迎える時期にきている。

今後の都市の予測

  • ラストベルトの都市や製造業に依存する東南部の都市は継続的に衰退していく。
  • 最果ての郊外は収縮し、家のサイズも小さくなる。
  • 「クリエイティブ」な産業を持たないサンベルトの都市の成長は減速する。
  • 巨大都市圏は継続的に地位を増し、人口も増え続ける。
  • 自宅保有率は低下し、都市や都市近郊の集合住宅に賃貸する人が増える。
  • 言い換えると、革新、発明、創造を促す住居環境をもった居大都市圏の中心都市が、経済成長を牽引する。
  • よって、以下のような都市が勝ち組として残る; Silicon Valley, Boulder, Austin, and the North Carolina Research Triangle

引用終わり>
 ここでのキーワードは「クリエイティブ」(創造力)です。
 創造的な地域として、自然環境の恵まれた地域や都心が上げられます。
 逆に、スロープ的な開発がされた郊外は、創造的活動に向かないと考えられているみたいです。
 都心回帰の理由として、不動産の下落が考えられますが、産業における「クリエイティブ」な産業の比率が上昇していることが考えられます。日本でもっとも「クリエイティブ」な産業を持っている地域が、ご存知の通り東京です。横浜なども、「クリエイティブ」な産業を持っています。福岡、神戸、大阪、京都、名古屋なども、「クリエイティブ」な産業を持っていますが、東京が群を抜いています。
 そう考えると、東京都心に人口が集まるのは必然か...
【関西】
 逆に大阪が東京に差をつけられている原因に「クリエイティブ」な産業が、街の規模の割りに小さいというところでしょうか(大学が少ないのも気になります)。都心回帰も、多少起きていますが、荒廃の進行スピードのほうが早いような気がします。関西の人は、大阪仕事するところ、兵庫・京都・奈良・滋賀住むところとなっているような気がします。大阪が住むところとして躍進し、「クリエイティブ」な産業が育つところにしないと、関西が落ちるかもしれません。
 ただし、住み易さ・大学の配置など見ますと、京都・神戸のほうが、「クリエイティブ」な産業が育つ可能性が高いと思います。
 大阪の橋本知事は、対決ばかりしてないで、この点にキッチリ手を入れて欲しいと思います。
【頑張っている都市】
 福岡は、頑張っていると思います。
【危ない都市】
 素敵な街になる可能性があるのに、行政・市民が手を打たないで、まさに自滅する地方は、浜松でしょうか。
 自滅する地方、自滅する浜松
 などと書かれています。
 浜松以上に荒廃している街はありますが、製造業がしっかりして地域にお金があるにもかかわらず、中心市街地荒廃する点が何とも印象的です(札幌・釧路は、産業・政策など全て駄目ですが...)。
 基本的に、浜松だけではなく、製造業・自動車産業が強い東海地域で、よく見られる現象です。東海地域は、物づくりで「クリエイティブ」ですが、それ以外の「クリエイティブ」な産業は弱いです。物づくりには関心が高いですが、街づくりにはかなりいまいちです。
 特に自動車産業が強いところは鉄道や公共機関を軽視するフシがありますので、経済規模の割には中心市街地がいまいちな感じです。
 名古屋も浜松も、歴史伝統があるのに、なぜか観光的にも魅力がありませんし...