JALをめぐるアメリカン航空とデルタ航空

 JALがワンワールドを抜けてスカイチームに入るのでは、という噂が以前にもありましたが、今回は本格的な提携話。
 どこに落ちるか判りませんが、色々と書いてみました。
*以遠権とは、簡単に言いますと、中継地点でお客の乗り降りをすることが出来る権利です。北米発日本経由タイ行きの場合、北米からタイへのお客だけではなく、北米から日本、日本からタイへのお客様を乗せることができます。北米から日本、北米からタイの路線を引くのに比べて、少ない経費で多くのお客を乗せることが出来ます。つまり、儲かります。
【デルタ側・スカイチーム
・日本国内のネットワークの充実
・アジア地域でのネットワークの充実
 NW(ノースウエスト)合併前の旧デルタの拠点は、アトランタ、NY、ソルトレイクでした。アメリカ内では、南部。国際線では、ヨーロッパ・南米が中心で、太平洋路線は、あまり強くありませんでした。
 しかし、NW合併により話が変わります。
 NWは成田をハブ・拠点にしており、無条件?の以遠権を用いて、成田からアジアに数多くの路線を持っています。
 しかしながら、国内の九州などから、成田へお客を運ぶ路線・手段?は持っていませんでした(逆に成田に着いた人を日本各地へ)。
 JALと組むことにより、日本のお客様を、成田へ運ぶ手段を得ることが期待できます。
 また、現状での赤字の原因は、貨物です。たしか、スカイチームスカイチームカーゴ?の方が、貨物ネットワークが充実していたと思います。その点でも、スカイチームの方がメリットがあるかもしれません。
アメリカン航空ワンワールド
 JALがワンワールドに入る前、ワンワールドに加盟しているアジアの航空会社は、香港のキャセイパシフィックでした。
 スカイチームのソウルの大韓航空スターアライアンスのソウルのアシアナ航空と比較しますと、ワンワールドは、北東アジアの路線が弱かったです。
 さらに、スカイチームのNW、スターアライアンスのUA(ユナイテッド)が以遠権を持っているのに対して、ワンワールドアメリカン航空は持っていません。このことによりアメリカンやワンワールドの路線は他のものと比較して劣っていました。
 しかし、JALの加盟により、これらの問題は緩和されました。
 逆に、JALがワンワールドを抜けた場合、これらの問題が再燃し、さらにスカイチームが強くなるわけですから非常にまずい話になります。
【ANA側スターアライアンス
 直接はANAには関係ありません。が、ANAとしては、JALがワンワールドにいるよりも、NW+JALで太平洋路線でのシェアが大幅に高まるスカイチームにいる方が厄介でしょう。内心はワンワールドにいてと思っているかもしれません。高コスト体質という点では、ANAもJALと大差ないので、高みの見物とは行かないはずです。
【ついでに、北海道・千歳・東北】
 以前、スカイチームのKLMが千歳空港にオランダ便を就航させていました。青森・岩手・秋田がヨーロッパに行く際には、千歳便が非常に便利でした。KLMはJASと組んで、東北や関東(羽田)の人を千歳経由でヨーロッパに運ぶ計画でしたが、JASがJALと合併したことにより、計画が流れました(当時JASが、青森・岩手・秋田を持っていました。そのため、これが出来るのはJASだけ?現在JALは新潟と新千歳の路線も持っています)。
 JALがスカイチームに入ったら、現在運休中のオランダ便が復活するかも知れません。
 しかも、デルタは、以遠権を持っているので、北米>千歳>アジアのどこかも夢ではありません。
 千歳とサンフランシスコ・ソルトレイク・ロサンゼルスぐらいならば、中型のB767でOKですし、一日で往復でき機体の利用効率が良い(一機でOK)ので、あながち妄想とはいえません。

【まとめ】
 個人的には、JALがスカイチームに入ったほうが面白いかな?