例外の取り扱い方

 今回は、こちらのの記事を読みました。
 この『「基準から外れてしまった人」人をどうするか』というのは、創造力の分野ではとっても重要なことです。
 創造力がある人は、普通の人も多いのですか、変わった人も多いためです。また、異なった意見を言う人も、上司に意見を言う人も、基準を外れてしまった人でしょう。
 国ごと、文化ごとの違いもありますが、組織文化・体質もかなりの比重を占めると考えられます(国・文化が原因だとすると、解決が非常に難しくなり、組織体質・文化であれば、解決の可能性が高まりますので...)
【話は飛びますが..】
 話は少し飛びますが、社員に権限委譲をする場合の議論を例(コンチネンタル航空)として考えて見ましょう。
 ある人は、怠ける社員が居るとして反対します。
 それに対して、社長?の判断は、「怠けるのはせいぜい20%。その人たちだけを厳しく管理して、残りの80%の自主性を尊重する」みたいなものでした(昔読んだ本なので間違っているかもしれません)。この話では、怠けたのは、せいぜい5%ぐらいだったみたいですが...
 つまり、コンチネンタルは、「基準から外れてしまった人」への対応を、以前は全員に当ててしまっていたわけです。
 こういう話は、学校や会社で良く起きますね。
 学校などでは、一部の自律できない生徒を管理するために、全員にルールを課しますが...本来管理対象の生徒は好きにやっていて、まじめで自律できる生徒が損をするという何とも不思議な現象が繰り広げられています。
【問題の本質は】
 問題の本質は、一律に管理しようとしているためです。
 一律管理は、一見楽そうですが、管理が現状に合っていないため、総合的に見るとコストが逆に増加している可能性があります。
 以前のコンチネンタルは、一律管理によりコストが増加していた例と言えます。
 おそらく学校もそうでしょう。
 こまめに対応するのが、メンドクサイと考えた結果、逆にコストが増加しているように見えます。
 根本解決をしていないので、問題解決における原因と結果の③1原因複数問題が発生して、対処に膨大な時間と費やす典型的な無駄です(無駄がいけない理由も読んでみてください)。
【例外】
 では、どうするのか。当たり前ですが、例外にちゃんと目を向けることです。
 例外のないルールはないといいます。
 例外ないルールを作ろうとしますと、ルールは肥大化・複雑化します。
 例外がないと、運用は硬直化し、組織は硬直化・官僚化します。
 同一の例外が多い場合は、ルールに取り込むべきです。
 例外部分への対応は、人間の知性・組織の知性が試されます。
 そして、組織が運用する現場の人間を信じられるのか、現場の人間に信頼に足る能力があるか、などにも左右されます。
 再び、コンチネンタルの例に戻りますが、コンチネンタルは、社員への分権などにより、例外にも(比較的)うまく対処できる組織になったそうです。
 例外に対する対処を見ますと、その会社の人間(顧客・従業員)に対するスタンス・考え方が判りますので、面白いものです。
PS
 近頃、個人個々の知性・倫理よりも、集団・組織の知性・倫理が劣っているような感じがします。上に立つ人間の質が落ちているためでしょうか?