3.11震災以降のビジネス:工場 電力不足とどう戦うか その1

 米は店頭に戻ったけど、大手メーカーのパンは戻らない。
 街のパン屋さんのパンは戻ったのに。

 原因は停電。
 生産過程で止められると材料の発酵が上手くいかないなど、いろいろ困るので、生産の時間を調整する。
 結果、大幅に生産力が低下する。
 新聞を見ると50%程度でしょうか?
 パンだけではなく、加工食品の工場の多くでは苦しんでいるのではないだろうか?
 工場で作るモヤシは停電により腐ってしまったらしい。

 この状態は、いつまで続くのだろうか?
 東京電力の発表を聞く限り、電力不足はこれからが本番だ。
 ピークは7月。ひと段落は、夏が終わり涼しくなる10月でしょうか。
 猶予はわずか、3ヶ月。そして、少なくとも6カ月間は何とかしないといけない。

【節電では対抗できない】
 節電をしたところで、地域単位で電気を切られる計画停電には対抗できない。
 生産体制の見直しでなんとかするしかない。
 対処策は以下のところでしょうか?
①生産拠点を移す。
②生産時間を移動させる
③生産品目を変える。
④製造プロセスを変える。
⑤自家発電
⑥エネルギー源の変更
 どれも簡単ではありません。
 大企業は早期に①を行いそうな気がしますが(関東・東北の製造業の衰退になるのは間違いない。海外に流出する企業も多いでしょうが、西日本・北海道にはチャンスと言えますが)...中小企業には難しい。
 結局、②③④⑤のミックスということになるでしょう。
 今まで以上に生産をしっかり管理する必要があります。

②生産時間を移動させる
 これは地域や働いている人との関係があると思います。
 夏の電力需要のピークは日中の1時〜2時です。
 12時〜3時くらいまで電力を止められることを覚悟しないといけません。
 夏は5時には明るいので、それこそ朝5・6時から生産することになるかもしれません。
 そして、早朝と夜間の勤務体制に近くなる場合もあるかもしれません。
 また、イタリアやスペインのように、昼寝を導入するのが良いかもしれません。

 平日生産を諦め、土日出勤が増えるかもしれません。
 騒音などの関係から時間制限のある地域は、行政などの特例がないと難しいでしょう。

④製造プロセスを変える。
 製造プロセスを変え、中断を行い易いような仕組みにしないといけない。
 機械よりも、食品加工などのほうが難しそうだ。

⑤自家発電
 発電機か、ガスか、太陽か、選択肢はいろいろありますが、早期に決断し注文する必要があります(政府の補助金待ちですと、機械がなくなる可能性があります)。
 日本だけだと足りないので、世界中から購入して対処する必要があります。
 おそらく購入分だけでは足りないので、④と組み合わせて、生産の優先度を明確にして電力を供給する必要があるるでしょう。 
⑥エネルギー源の変更
 単に冷房だけしたい・加熱だけしたいでしたら、電気だけではなくガスなどの方法があります。

【まず最初にやることは】
①自家発電の注文をすること
②どの機械・どの生産ラインが、どれだけの電力を使うかを把握
③作業時間と中断可能性の把握。
④製品ごとの作業時間と流れの把握とデータ化