[勝手にコンサルティング]日本の半導体はなぜ衰退したのか?

 原因は、複数。大きく分けて以下の様でしょうか。
①コスト構造(販売費及び一般管理費
②投資タイミングの不備
③人的・資金的資源の分散
④技術依存


①コスト構造 販売費及び一般管理費が大きすぎる。
 良く人件費が高い、地代が高い、電気代々が高い、税金が高い、研究開発費かけすぎなどと言われていますが...最大の問題は販売管理費が大きすぎる。


 年度によって違うと思いますが、高い原因の約4割〜5割は販売管理費だったような気がします。
 これは液晶も同じ。


 つまり、本社の効率が悪い。
 良く人件費が高いと言われますが、この人件費は、工場の人の人件費を言っていることが多いです。


 本社や営業の人の人件費は、販売費及び一般管理費に入っていることが多いです。


 詳しいデータが手元にないですが、以前海外のコスト構造は比べて資料では、米マイクロンの販売管理費は、韓台は対して変わらないですが、日本は突出して大きかった。
 アメリカの人件費は、日本と同じか以上なのですから、日本の販売費及び一般管理費の高さは、高すぎると言えます。


②投資タイミングの不備
 半導体(DRAM)は、ドッグイヤーの産業です。2年で価格が半分になる世界。1年投資しなければ他の産業で4年投資しないのと同じ。2年なら8年相当。そのため、不景気だろうと好景気だろうと投資し続けないと生産コスト的に戦えない。
 10年前の減価償却済みの機械で利益を出す自動車産業とはまるで違う。
 逆にみると、最新設備が必要ない10年前の機械でも良いアナログ半導体の分野などでは結構強かったりします。


 日本は、財務の都合で、好景気に投資して、不景気だと抑制する。その結果、工場の生産開始は景気の下り坂で価格が暴落して大赤字、一方、景気回復期には供給能力不足で他社にシェアを奪われるということの連続です。

 特に日立は、好調不調時の投資の波が大きく、90年代やる気あるのか?というぐらいまで投資を削減しました。
 結果凋落しましたが...


 これも液晶と同じ。2002年に第五世代に韓国は投資したが日本はせず。一気に差を詰められる。2004年にシャープは第6世代に投資しましたが、他の企業はせずジリ貧状態へ。
 フラッシュに積極投資の東芝は、なんやかんやで頑張っています。


③人的・資金的資源の分散
 当時、NEC、東芝、日立、富士通三菱電機などメーカーが多すぎる。その結果、人的資源や資金、工場などが分散した。早いうちに2社ぐらいになっていれば、毎年工場に投資して、②のような状況は避けれただろうに。


④技術依存
「技術が優れているから勝てる」「技術が優れていれば勝てる」と、なぜか経営陣が言っている。そこに経営はなく、妙に技術依存。経営がたいしたことない、または劣っているので、技術が優れていても、経営がヘボなので時間が経つと並ばれるし、技術が並ばれた時点で、敗北する。
 これも液晶と同じ。画質は日本が良いと言っているが、製品で観ると大差なかったり...本当に比べているのか怪しい。思い込みじゃないのと思えてしまう。


以上