少子化問題は、なぜ放置され、対策が遅れたか?

昔々、「1.57ショック」というものがありました。
1989年の人口動態統計において、合計特殊出生率が過去最低の1.57に低下して、年金など社会保障の維持が困難になるのでは?
という話ですね。


未来予想は、あまり当たらないけど、人口予測は比較的当たる未来予想と言われていましたが、
少子化対策は本格的にされませんでした。


80年代の教科書を見ますと、人口ピラミッドが書かれていて「高齢者を少ない労働者で支えるのは大変だ。」みたいな挿絵がありましたね。


理由はいくつかありますが、人間目先のことが精一杯で、20年、30年、先のことなんてまともに考えないからですね。


特にバブル以降は、目先の利益ばかりです。
政治家は国家百年の計だとか言っても、自衛隊を国軍化するとか、そんな話が中心ですので・・・・


□雇用環境の悪化


さらに厄介な話として、第2次ベビーブーマーの置かれていた雇用環境の悪化を非常に甘く見たことですね。
フリーター・非正規は、若い人たちが積極的に、その生き方を選んだとレッテルが貼られました。


ベビーブーマー団塊の世代の人たちも、リストラの危機にあり、若い奴らに配慮なんかできない。若い奴らを犠牲にしてでも自分たちの雇用と所得の維持に必死でした。


構造的な面の分析はまともにされませんでした。
パラサイトシングルと言って、バカにしていましたね。
 恐ろしいことに30歳非正規が大量に出るとは、予測していなかったみたいです。
 真面目に考えれば、構造的問題であり、30歳になったからと言って正規にはなれないのですが。
(自己責任・本人の意思としているので、構造的に非正規という結論が出るのは、まずい)


非正規化による雇用不安定化が、晩婚化少子化を引き起こす可能性について、無視しました。
指摘されても、無視です。
現実主義ですので、可能性のレベルでは、無視です。他の可能性もあるだろ。と反論されておしまいです。
(議論を平行化できれば、結論が出ず、対策はできません。問題起きないから対策不要派の勝ちです)
でも、現実化した段階で手遅れ。


現実問題としては、男性の雇用の不安定化、低賃金化により、結婚できない男の激増を引き起こしました。


政治家や経団連のえらい経営者は、そんなのは見ません。無視です。
賃金を安くして、その分、利益を上げることしか考えていません。


子育て支援

子育て支援=若い人の甘えという発想の世界ですね。


現実問題としては、男性の雇用の不安定化、低賃金化により、女性の就労なしに、子育て家計を維持するのは困難です。
特に大学の授業料も高額化していますので、子供にいい教育・いい生活をさせようという真面目な人を子育てのハードルが上がっていきますが・・・


政治家や経団連のえらい経営者は、そんなのは見ません。無視です。


女性は子供を産むことによる出費の増加とキャリア中断・または転職による所得の減少のダブルパンチにより、
出産に二の足を踏むようになります。


女性の社会進出は、女性は家にいるべきという保守主義の人たちの思想と対立しました。
自民党は保守ですの、女性の社会進出は反対。子育てと仕事の両立という点を整備する気はありませんでした。
整備すること=後押しになるためです。


□女性の意識
 女性は家に居て、男性は外で働くというのは・・・日本人の多くの理想です。
 別に保守主義の人だけが悪いわけではありません。
 特に20代の若い女性では、顕著です。
 面白ことに、毎年この比率が増加しています。


https://www.elle.com/jp/culture/g239589/cfe-japanese-young-women-conservatise-17-1030/


 女性自身が両立を望んでいないのですから、政策的な支持を得るのは難しいですね。


□愛情と真面目さが、あだになる。
 アメリカ人の女性に手料理なんて、望むのは危険です。
 インスタントですね。
 料理の負担が、アメリカ人と日本人では違うんです。
 日本人からは、愛が無いように見えるレベルです。
 食事で愛情表現は、イタリアとかは、そうですね。


 結果として、日本人女性は疲れてしまうんですね。


 男は・・・・もう仕事と通勤で疲れています。
 日本人の男性の帰宅時間は、ヨーロッパ、アメリカ、中国などと比較しても、遅いです。9時、10時に帰る人なんて、海外じゃ稀ですけど、日本じゃ稀では無いですよね。